転職は婚活だ#2 ~教員がベンチャーに転職してみた~【転職エージェントと転職サイトの違い】
ぼくは、今年の春から教員を辞めて、民間企業で働くことになる。つまり転職することになったのだ。
前回の記事から今に至るまで、語り尽くせない想いと経験をした。
それをできるだけ詳細に、簡潔に共有できたらと思う。
この記事は、「教員を含む公務員の方」に読んでもらえると共感しながら参考にしていただきたいと思う。
また、その他民間企業に勤めている方も「公務員が転職?! ばかじゃね?」と思いながらもしかすると参考にしていただけることがあるかもしれないので興味本位で読んでいただきたいと思う。
ただ、これから書くことは僕個人の経験で、転職活動の仕方や考えそのものも人それぞれだと思うから、そこんとこよろしくってことで。
何から始めたか
まず、転職活動をしようと決意したはいいが、何から始めていいのかわからないという人も多いだろう。前回の記事でも書いたけど、僕は大学生のときに就活すらしていないので、民間企業に対しての心理的なハードルが高かった。
また、教師として民間企業とあまり接点がないところにいるとなおさらだ。
僕はまず手当たり次第に、転職エージェントと転職サイトに登録した。
公務員でぬくぬくやってると、こうやって市場価値が一発でわかっちゃう転職サイトとかに登録しようとするだけでけっこう精神的にはしんどいんだよね。
でもそこはがんばりましょう。僕も最初のハードルは、転職エージェントと転職サイトに登録する、でした 笑
今回の記事では、転職活動を始めるにあたって不可欠な転職エージェントと転職サイトの違いを説明しながら、僕なりに双方の効果的な使い方をシェアできればと思う。
転職エージェント
転職エージェントとは、いわば転職をサポートしてくれるパートナーのような存在。初回は大体電話面談か直接の面談がある。そこで担当のエージェントが一人ついてくれて、いろいろとヒアリングしてもらいながら希望の業界・職種を炙り出していく。
(今すぐ転職する気はなくても、軽い気持ちで話を聞いてみたいな〜というくらいのスタンスでも全然OK。快く面談してくれる。)
転職活動は、基本的には担当についてくれたエージェントと二人三脚で転職活動をしていくことになる。本業のパフォーマンスを落とさずに転職活動をするのは骨が折れる。
転職活動をしていくなかで、気になることを解決したり、情報収集したりするには、エージェントを頼るのが手っ取り早い。全部自分でやる!と意地を張らないで、おとなしくエージェントに頼ろう。
僕がびっくりしたのは、このエージェントには一切お金がかからないことだった。転職エージェント会社は、僕たち求職者からではなく、企業のほうから入社報酬として転職者の年収の○%を受け取るのだ。
これは求職者にとっては良いシステムだ。気軽に転職の相談ができるし、いろんな転職エージェントに登録してもお金がかからない。
しかし、気をつけなければいけないことがある。それは転職エージェントは求職者を入社させないと報酬がもらえないので、遮二無二にいろんな会社を受けさせようとしてくるエージェントもいるということだ。
まあ場数をこなすことは大事なんだけど、「この人、ぼくのためじゃなくて自分のためにやってるな…」ってのが分かるとそのエージェントからは手を引いた方がいい。
転職エージェントもピンキリで、ほんとに小さなエージェント会社もあるし、DODAやリクルートのような大手エージェントもある。
大小さまざまなエージェントと面談した僕がメインで使ったのは、転職業界では2大エージェントとされるDODAとリクルートのエージェントサービス。
この2つはやはり登録しておいて損はない。大手だから安心という単純な理由ではなく、大手には大手たる理由がある。
それはなんといっても掲載求人数の多さ、情報の多さ、この2つである。この2つは転職活動をしていく中で、絶対的な武器になる。
ここではっきり言っておくと、エージェントの質は、「運」だ。大手でも怠慢なエージェントはいるし、小さなエージェントにも素晴らしい人がいる。まあ逆も然りなんだけど。
一度、教員を辞めて一般企業に就職してから独立して小さな人材会社を起ち上げたエージェントがメールの文面で
「私も同じ教員の身であったので、〇〇様には他のエージェントよりも寄り添うことができると思います。同じ教員出身として返信だけは絶対にお願いしたいです。」
と来て、「私は教員でなくとも返信はいたします。」とだけ言い残してそのエージェントは切った。こういうタイプは自分のことしか考えてない。
話を戻すと、僕個人としてはDODAがおすすめだ。DODAの面談のマニュアルはかなり顧客に寄り添ったものであると感じたし、何より担当してくれたエージェントが本当にきめ細やかに対応してくれた。
「最終的に、転職すること自体が僕にとってプラスになるか否か」というところまで一緒に考えてくれるエージェントはいいエージェントだ。こちら目線で考えてくれるからだ。
その点、リクルートは最大手というだけあって、エージェントに勢いを感じたが、「あぁ、自分はこの人が担当している数多くの求職者のうちの一人に過ぎないんだな」っていうのを感じた。
流れ作業感というか。これもエージェントによってまちまちなんだろうけど。リクルートの人っておもしろいし勢いあるんだけど、どこかテイカー感が否めなくて、そこが圧倒的にギバーであるDODAのエージェントとの違いだった。まぁたまたま運が良かったのかもしれない。
そういう意味で、転職活動を始めてから転職を決めるまで大体2~3ヶ月くらいと言われているが、+1ヶ月とるのがオススメ。
この1ヶ月で、さまざまなエージェントと面談し、自分に合うエージェントを探すのだ。
ここにはもう一つメリットもある。何度も自分の転職動機や自己PR等を人に話すことで、だんだんとぼんやりしていた考えがまとまってきたり、話すのがこなれてくる。
人に何度も同じ話をするのは気が進まないかもしれないけど、転職においてエージェントは生命線になるとともに、ここでいろんなエージェントに話をしておくことは、実際の面接のときに役立つ。
転職サイト
次に転職サイトだが、これはいくつか挙げてみると、リクナビNEXT、wantedly、キャリトレ、GREEN、ビズリーチ等がある。
転職サイトは、たとえばFacebookやTwitterなどのSNSサイトでアカウントを登録するのに似ている。詳細なプロフィールとして、自分の性格や特徴、趣味嗜好などを書くと、興味を持ってくれた人から連絡が来る。これの対企業バージョンである。
つまり、自分の転職動機やスキル、自己PRなどを書いて登録すると、企業から直接オファーがくる。「弊社の面接を受けてみませんか?」というように。
転職サイトを使うもう一つのメリットとして、いろんな企業の社内風土や実際に働いている人の姿が見えやすい、というのがある。
どれか一つでも転職サイトに登録してもらうとわかると思うが、いろんな企業が写真や動画付きで自社への思いや社員の働き方などを記事とともに紹介している。だから求職者の僕らとしては、その会社のカルチャーをつかみやすい。
ひとつ例に出すと、Wantedlyなんかはおもしろい転職サイトだと思う。あえて年収を掲載しないことで、企業は仕事内容とその会社のビジョン、社内カルチャーの素晴らしさ等で求職者にアピールする。
もちろんお金は大事だし、最低年収〇〇以上というラインを設けておくのも必要かもしれない。
ただ、その会社でやれることがもしかしたら自分の適性を存分に発揮できるところかもしれないし、働きやすい風土で生産性を高めあえる環境で働くことで業績が上がり、年収も上がっていくかもしれない。
最近では副業OKの会社も増えてきているから、本業の年収が現時点で満足いかなくても、本業で得たスキルで副業に生かしトータル年収をアップさせるのもアリだ。
そして、同じ企業に応募するにしても、ぶっちゃけ転職エージェントを経由するよりも転職サイト経由で転職したほうが転職が成功しやすい。
なぜなら、前述したように、企業はエージェント経由で人材を入社させた場合、エージェントに転職成功報酬を支払わなければならないからである。
このコストが転職サイト経由だと、対求職者なので、一切必要なくなる。まあそれでも僕らが転職エージェントにお願いするメリットはいろいろとあるんだけど。まあこの記事では割愛する。
ただ、話を戻すと、僕の所感では企業からの直接オファーは少ない。実は、「〇〇会社の〇〇の職種で現在求人があるのですが、さむ様のプロフィール欄を拝見しまして、こちらの求人にぴったりだとお見受けいたしましたので一度話してみませんか?」と、エージェントからオファーがくるのである。
そう、本来企業と求職者の場であるはずの転職サイトだが、最近はもうほとんどその企業への人材を斡旋したいエージェントで溢れかえっている。
企業と直接やりとりすることで採用コストが抑えられるので、企業が採用により前向きになるというのがあるわけだから、転職サイトでもエージェントとちまちまやりとりをするのは、あまり得策ではないように思う。個人的に。
実は、僕が転職を決めた会社は転職サイトであるキャリトレというサイト経由である。その会社の求人が英語力必須だったので、そのときのTOEICの点数が965点あり、おそらく「TOEIC900点以上」でソートをかけた人事が僕に声をかけてくれたのだろう。
僕はTOEICとかの語学資格にはわりと懐疑的だけど、こういうときは、わかりやすい数字は強いのだなと思った。
さて、長くなってしまった。
「なんか転職って婚活みたいだよな~」
これは偶然転職活動する時期を同じくしていた友人がふと言ったものだ。
転職活動を続けるうちに、ほんとうにそうだと思うようになった。
転職エージェントや転職サイト(pairsとかomiai)に登録してからいろんな企業(恋人候補)を見ていると、どの企業(恋人候補)がいいのか分からなくなってくるわけですよ。
求人票(相手のプロフ)は魅力的だけど自分には合ってなさそう(イケイケな男性はちょっと…)だな〜とか、仕事内容はおもしろそう!(この人趣味が合いそう!)だけど、給与面がな〜(年収…)とか。
で、この段階での結論としては、会ってみないとわからない!(応募して面接してみないとわからない!!)
まあそもそもこちらから応募したって(意中の相手にメッセージ送ったって)、書類選考の時点で落とされる(メッセージすら返ってこない)こともザラ。
そして忘れちゃいけないのは、企業(恋人候補)だけでなく、こちらにも相手を選ぶ権利や拒否する権利があるってことだ。
実際に選考が進む中で(デートを繰り返すうちに)、なんか違うな〜と思ったらもう会わなくてもいい。罪悪感に苛まれる必要はない。
合わないのにパートナーになっちゃうと、お互い不幸になるから。
大学時代の就活は、どちらかというと企業が学生を選ぶ、みたいなイメージが強いんじゃないだろうか。
その分、転職ってのは企業と求職者が求めるものがマッチしているかどうかが最重要。どちらもウィンウィンになれるのが一番いいし、企業もそういうスタンスで面接してくれる。
僕が行ったいくつかの企業の面接でも感じのイイところだと、本業で忙しい中面接に来てくれてありがとうございます、みたいな言葉をかけてくれることもある。
だからあまり固く構えずに、ちょっと婚活アプリ登録してみるか、みたいなノリで転職エージェントや転職サイトに登録してみるといいと思う。